株式市場の規模
このところ株価は下落してますが,2019年10月31日の売買高は645億バーツ(約2,258億円)ありました。だいたい東京株式市場の10分の一くらいの規模といったところでしょうか。市場参加者
月末なので割り引いて考えたほうが良いですが,意外と外国人投資家の比率が高く,取引額の半数近くを占めているようです。
参加者
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比率
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国内機関投資家 |
12%
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個人 |
28%
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外国人 |
44%
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その他(自己売買取引) |
16%
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株式の種類
同じ株式銘柄に,ローカル株,フォーリン株,NVDR株の3種類があります。外国人にとっては,普通はNVDR株で取引すれば良いです。保有者 | タイ人 | 外国人 | 注 | ||
種類 | 議決権 | 配当 | 議決権 | 配当 | |
ローカル株 | あり | あり | なし | なし | |
フォーリン株 | なし | なし | あり | あり | 取引が極端に少ない。 |
NVDR株 | なし | あり | なし | あり | 取引の上限がある。 |
ローカル株
タイ人が保有すると,議決権があって現金配当や株式配当を受け取れます。外国人が保有しても,議決権はなく配当も受け取れません。フォーリン株
外国人が保有すると,議決権があって配当も受け取れます。ただし,参加者も出来高も極端に少ないので,売買したいときに売買できないという難点があります。NVDR株
大雑把に言うと,議決権のない株式のようなものです。それなりに出来高があって,タイ人も外国人も一緒になって自由に売買できます。議決権はありませんが,ローカル株と全く同じ条件で配当を受け取れます。ただし,発行済株式の一定割合までしか取引できないという制約があります。
種を明かせば,タイ証券取引所が運営するNVDRと言う名前の会社が別にあって,このNVDR社が上場会社の株主になっています。NVDR株を持っている外国人は,NVDR社から間接的に配当金を受けるわけです。
ですから,正確には株式と言うよりもNVDR(Non-Voting Depository Receipt)の通り,「議決権のない預託証書」ということになります。
タイの株式市場はまだまだ規模が小さいので,外国人投資家に無制限の売買取引と株式保有を許してしまうと,市場が不安定になったり,外国人に企業を乗っ取られて,産業の発展を阻害される恐れがあるための対策なのでしょう。
外国人としては,素直にNVDR株で売買するに限ります。
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